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2003.12.23

「住所不定、無職」の真実/報道を鵜呑みにしない

BRAHMAN(ブラフマン)というバンドが10月に中国・北京で出演した野外コンサートで、「日本人帰れ」と客から生卵をぶつけられた、という事が新聞によって“歪曲”“誇張”されて報道された、という事がblogのあちこちで議論されている。

詳細はそれぞれの記事に詳しいが、「ウェブログ@ことのは」『中国の反日機運は高くない!「煽り」記事を事実から検証する 』で以下のように真実を探っている。

つまり、物を投げ込んでいたバカ者たちは、BRAHMAN(=日本人)だけをターゲットにしていたのではなく、中国人バンドにも見境なくやっていたということだ。

 では、なぜ2カ月前の話を今この時期にという話になるわけだが、それは当然、この記事の中にちゃんと書いてある。

9月末に広東省珠海市で日本人による「集団買春」事件が明るみに出た直後で、反日機運の高まりが背景にあったとみられる。

この推測はこの記事を読む時非常にわかりやすくなる要素だった。
またスタッフとして現場にいたxiao_longさんのライブレポートがある。これこそが真実だろう。

また「blog::TIAO」の『 マスメディアによるデタラメな(「歪曲された」と修正します)中国報道』では、

先日、北京の放送局で働く友人が一時帰国してた時にもこのコンサートの話が少し出たんだが、こんなことは話していなかったぞ? 彼は北京のロックシーンにはかなり係わっていて情報通だから、もしこんな事態があったのなら話すだろう・・・と不思議な気持ちでいたところ。
先ほど、彼からの投稿がyaogunMLで流れてきて、その事情を知り、怒りが込み上げる。

と、電話取材を受けたご本人からの真実と困惑のメールを紹介している。新聞報道とは別の所、blogやネットの中で真実が伝わっていく時代なのだ。

誰でも自由に投稿できる「メディア規制などについて考え、発言するBLOG」『読売新聞が中国報道を捏造!?』という記事があり、以下の意見がある。

ようするにこの読売新聞の記者は「読者に喜ばれる記事」を書こうとしたんだと思う、それが悪いことか良いことなのかは別にしても、それはもしかしたら当然の事なのかもしれない。だって読売新聞ってのは営利を求める民間企業なのだから。

そう。新聞もテレビも、営利を目的とする企業なのだから、読まれ(買われ)、見られる事も“伝える事”と共に重要だ。

さて、ここでわたしがBRAHMANのボーカルTOSHI-LOWから直接話しでも聞けて、その声をここで伝えられれば、この記事を書く意味も大きくなるのだが、残念ながらそこまで親しくはない。
しかし、わたしにもわたしなりの視点があるからこれを書いている。おそらくこれらの記事を読んだ多くの人は、「BRAHMAN」という名前すら、今回初めて聞いたのではないだろうか? 知っているとすれば今年4月に女優の「りょう」と結婚した報道を覚えているりょうファンくらいか(^^;)。ライブを実際に観たことがある人は少ないと思う。

普通に考えるとロックバンドだから「ノッてるかい?」「一緒に盛り上がろうぜぃ!」などと客席とコンタクトを取ってライブを進めていると思うだろう。97%か98%のバンドはそうやってライブを進める。しかしBRAHMANは、ほとんどMC(曲の合間にしゃべること)をしないバンドだ。曲名の紹介すらしない。ただ淡々と演奏する。客席と共にライブを盛り上げようとか客席を乗せようというスタイルではないバンドなのだ。中国だからといってそのやり方を変えるとも思えない。

つまり、そのスタイルがよかったのではないかな、と思うわけだ。他のバンドであったら何かをしゃべることで客もなんらかの反応してしまう。何かをしゃべらなくてはいけない、とバンド側が考えてしまうとかなり困ったはずだ。収めようとしても、気にしてないぜと言っても、もっと盛り上がれと言っても、何か言ってしまえば余計に興奮が高まるに決まっている。
何も言わず、ただ淡々とライブを見せるという姿がどう受け止められるか。そりゃもう、カッコいいに決まっている。動ぜず、こびず、自分たちのスタイルを突き通すのがロックなのだから。その貫くスタイルが、ライブを進めるうちに大勢の好感を得て、最後には中国のロックファンを感動させたのだろう。

ああ、あと付け加えておくと、ロック、特にBRAHMANも含むパンク寄りのバンドのライブでは、生卵はともかく、ペットボトルやビール缶や火のついたタバコやつばをステージに投げるのは、全てがブーイングではない。理解しにくいだろうが、盛り上がっている気持ちを表す好意の気持ちでもある。


さて、長い記事になってしまうが後半は「住所不定、無職」の真実。
この北京のコンサートの報道にしても、読売新聞では「4人のメンバー全員が軽いすり傷などを負っていたことが分かった」とあり、日刊スポーツは「メンバーに特にけがなどはなかった」となっている。さあ真実はどっちなのだ? ということになる。
答えは、ドラムがこの事で怪我をするのはあり得ないと、わたしは思う。

まだフリーターという言葉が定着する前の事だが、友人のバンドマンが違法な植物を大量に刈り取りに行って捕まった事がある(^^;)。新聞で「住所不定、無職」と書かれ、そうか、世の中的にはそうなってしまうか、と思った。そんな住所も不定で、定職もないのだから、こういう悪いことをして当然、と受け取られる、いかにも犯罪者と受け取れる書き方だ。
実際は、彼女の借りているアパートで同棲していて、バンド活動のためにいくつかのバイトを兼業していた。確かに住所はないし、会社勤めでもない。
言葉の持つイメージというものは大きい。

例えば少し前、男女関係のもつれから起きた殺人事件で、被害者は同じ「居酒屋」に勤める人3人で同じアパートに住んでいた事があった。へぇ偶然同じアパートなのか、と思った人も多いのではないだろうか。これはただの「居酒屋」でなく、キャバクラやスナックといった水商売には多い話しで、お店がアパートを借りて従業員がそこに住んでいるのだ。偶然ではない。
普通の「居酒屋」や「飲食店」で、男女関係のもつれから殺人事件が起きる事は、無いとは言わないがそんなには起きない。女性と疑似恋愛をするキャバクラやスナックだから、恋愛感情のもつれから殺人事件になってしまうのだ。
新聞やテレビの言う「飲食店」を単に「飲食店」とだけ受け止めてはいけないのだ。

記憶にある所では、14歳の少年が4歳の男の子を駐車場から落として殺した事件。あそこにも報道の秘密があった。
殺人報道からしばらくして「男の子の身体の一部に切り傷があった」という報道が起きた。「からだの一部」とは、どこなのか? 顔、手、足、背中、臀部、腹部、それだったらそう報道できる。残る所はどこか? 「おちんちん」を切られていたのだ。「14歳の少年が4歳の男の子のちんちんをハサミで…」とは報道できず、「からだの一部に切り傷」となったワケだ。

昔から言われているが、「世論」というのも操作できる。
何かに対して賛成か反対かという「世論」。賛成と答える人が多い所をわざと選んでランダムに100人選べば賛成に、反対が多い所をわざと選んで100人に聞けば反対に、答えを導き出すことができるのだ。「世論」という報道はそういう場合もある、ということだ。

これらの報道やニュースは「ウソ」は言ってない。しかしある意味で「真実」も伝えてない。
我々は、報道を鵜呑みにしてばかりではいけないのだ。もちろん報道にたずさわる人は命をかけて真実を伝えようとする人も大勢いる。
しかし、報道、ニュース、というものは、人が伝える以上、その人の意志が入るのだ。受け取る側も、ニュースからその意味を読み取る事を常に意識することを、心がけていかなければならないと思う。

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